日本の景観はどこへ行った?

2013/03/06
昔の箱根

昨日、現代日本の景観の混乱ぶりについて触れたところ反響をいただいた。
その理由は以下の本にも明らかです。 「逝きし世の面影」 渡辺京二著

鎖国から国を開いた日本に来た外国人が驚いたのは、愛想のいい庶民による礼儀正しい歓待だった。なかでも感動したのは、貧しい人々が自らのなした親切に代価を求めないこと。あるスイス人は散歩先の農家で歓待され、庭の一番美しい花を切って贈られた礼をしようとしたが、あるじは受け取らない。「親切と真心は庶民階層全体の特徴だ」はその人の観察である。日本各地を単身旅行した英国女性イザベラ・バードはそれを頻繁に体験した。ある馬子は紛失物を捜しに1里も戻って見つけたが、仕事だと礼を受け取らなかった。飲んだのが茶でなく水だからと代金を取らない茶屋の娘、暑熱の中1時間もうちわであおいでくれながら何の礼も取らない女たち……渡辺京二さんはそれが当時の庶民の倫理だったと推測する。

安政6年に初代駐日イギリス大使として着任したラザフォード・オールコックは、3年間の日本見聞記「大君の都」に書いたように、日本に甘くはなかったが、それでも随所で日本の景観の美しさには心底驚いている。小田原から箱根におよぶ道路の「比類のない美しさ」にさえ、目を奪われた。
 彼は、田園と農業のありかたにも唸った。「日本の農業は完璧に近い。農地を整然と保つことにかけては、世界中で日本の農民にかなうものはない」と書いた。タウンゼント・ハリスにとっても同様で、やはり水田の見事さに驚いたあと、「私はいままで、このような立派な稲、このような良質な米を見たことがない」と兜を脱いだ。

かつての日本は景観の美しさはもちろんのこと、人々の心根の美しさも世界で際立っていた。そんな日本は現在のどこにあるのか。例えあっても、せいぜい商業化され観光化された景観ではないでしょうか。こう書くと多分、感傷的だと言われるでしょうね。


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